ドーパミンが分泌されると、脳内はある種の興奮状態になります。
例えば、誰かを好きになりと、その相手を見かけたり、その相手のことを考えるだけで、ドーパミンが分泌されることがあります。
恋愛とドーパミンは、優秀な種を残したいという「種の保存」の本能に密接に関係していると言えるでしょう。
しかし、地球上にたくさん存在する同種(人間)の中から最も優秀な種を探し、子孫を残すことは困難です。
そのため、人間の脳には「恋愛をする」という機能が加わりました。
異性の好みを判断するのは、脳の奥深い部分にある「扁桃体」という部位です。
扁桃体が好みの異性を見分けると、脳からドーパミンが分泌され、興奮状態になるのです。
アメリカで最も有名な人類学者の一人であるヘレンフィッシャーは、『人はなぜ恋に落ちるか』という著書の中で、「恋愛状態とは、【特定の対象に対しての、極めて強力な報酬システムの作用 + それについて随時、思考させる強迫観念作用】であり、アルコールやドラッグにも似た一種の中毒症状である」と定義しています。
この「報酬システム」は、ドーパミン分泌メカニズムをを指しているといえるかもしれません。
ドーパミンの分泌量が増えると、「確固たる動機と目的志向の行動」が生み出されますが、こうした行動は、恋をして盲目的になったり、相手のために何かをしたりする行動と同種のものです。
また、ドーパミンは新しい刺激を受けることによって分泌量が増加しますが、これによって、恋愛中は常に相手のことを新鮮に感じることができるわけです。