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ドーパミンの過剰分泌および減少による病気とは?

ドーパミンが減少することによって起こる病気の一つに、パーキンソン病があります。

パーキンソン病は、技術を磨いたり、行動を習慣化・規格化したり、次の行動の計画を練ったりする働きのあるドーパミンが減少することで、立ち上がって歩こうと思っても、筋肉や関節をどのような順番で動かせばよいかわからなくなったり、体か震えたりすくんでしまったりして運動ができなくなる病気です。

人間は、10歳年をとるごとに10%のドーパミンニューロン(ドーパミンを産生する神経細胞)が死んでいくといわれています。
したがって、私たちがイメージする老化現象は、ドーパミンの減少が原因だといってもよいでしょう。

また、物覚えが悪くなったり、忘れっぽくなったりすることもドーパミン減少症状の一つです。
無気力になり、他人との関わりを避けるようになるのは、ドーパミンの減少によって、神経回路の中の情報処理機関に異常が起こることが原因です。

逆に、ドーパミンの分泌が多すぎると、幻覚が見えたり、発言や行動をコントロールできなくなり、恥ずかしい思いをしたりすることがあります。
チック症などは、ドーパミンの過剰分泌が原因の病気です。

麻薬やタバコなどの薬物は、ドーパミンの分泌を促進する作用があり、精神依存を起こすことが知られています。

パーキンソン病は、遺伝によって発症する場合もありますが、遺伝的な原因ではないものがほとんどで、その原因は未だ解明されていません。

ドーパミンの分泌とパキシルの作用との関係

うつ病やパニック障害の治療薬の一つであるパキシルは、ストレスに強く、落ち込んだ気分から平常心を取り戻す効果のあるセロトニンを増やす効果のある、選択的セロトニン再取り込み阻害薬です。

セロトニンには、快感を支配し、興奮状態を作り出すドーパミンや、不快感を支配するノルアドレナリンの働きを抑える作用があります。

うつ病やパニック障害、統合失調症は、このドーパミンやノルアドレナリンの分泌が増え、気分が異常に高揚したり、激しく落ち込んだりすることによって引き起こされる精神疾患です。

パキシルが日本で抗うつ剤として認可されたのは2000年のことで、パニック障害の治療薬としては初めて認可されました。

抑うつ状態が現れ始めた初期の患者に対しては、まず、パキシルを処方して経過をみるという例が多いようです。

副作用は比較的軽いと言われていますが、かすかな気分の悪さや倦怠感、眠気を感じるという報告もあります。

眠気を感じる患者の割合は服用者の14%であると、発売元は発表しています。
また、急に服用をやめると離脱症状が現れる場合もあります。

パキシルの効果は、個人差がありますが、1週間から1ヶ月程度かけてゆっくり現れます。

10mgから服用を開始し、その後、様子を見ながら1週間に10mg増量して服用するような処方の仕方が一般的と言えるでしょう。

パキシルの服用によってセロトニンなどの脳内物質の量を調整することが、うつ病などの改善につながるようです。

ドーパミン過剰分泌とセロトニン減少の影響

何かとストレスが多い日常生活。
実は、ドーパミンの分泌は、ストレスを感じれば感じるほど盛んになります。

ドーパミンは、食欲をつかさどる「摂食中枢」の働きを促進し、ストレスによる過食の原因をもたらすこともあります。

ドーパミンの分泌量が増えると、平常心をもたらす神経伝達物質であるセロトニンが減少します。

セロトニンには、ストレスに対抗する心を作り、頭のさえた、冷静な状態を保つという役割があります。
セロトニンは糖分を材料にして作られるので、セロトニンが減少すると脳や体は糖分を欲します。
疲れたときに甘いものを食べると良い、と言われているのはこういった理由からです。

つまり、ストレスを受けると、ドーパミンによって「食べたい」という欲求が沸き、セロトニンの減少によって糖分を求めてしまうため、結果的に太ってしまいます。
太らないためにカロリーの低いものを摂取しようと頭で考えても、糖分を求めている体をコントロールするのは困難です。

したがって、 糖分を摂取する以外の方法でセロトニンを増やすには、心身ともにリラックスすることが重要なのですね。

また、喜んだり、何かに感動したり、楽しんだりすることもセロトニンの分泌を促進します。
このように、セロトニンは心の状態と大変関係の深いホルモンなのです。

セロトニンの減少が原因で起こる疾病や症状には、うつ病、パニック障害、強迫性障害、片頭痛、慢性疼痛、睡眠障害、摂食障害などがあります。

ドーパミンと恋愛との密接な関係

ドーパミンが分泌されると、脳内はある種の興奮状態になります。

例えば、誰かを好きになりと、その相手を見かけたり、その相手のことを考えるだけで、ドーパミンが分泌されることがあります。

恋愛とドーパミンは、優秀な種を残したいという「種の保存」の本能に密接に関係していると言えるでしょう。

しかし、地球上にたくさん存在する同種(人間)の中から最も優秀な種を探し、子孫を残すことは困難です。
そのため、人間の脳には「恋愛をする」という機能が加わりました。

異性の好みを判断するのは、脳の奥深い部分にある「扁桃体」という部位です。
扁桃体が好みの異性を見分けると、脳からドーパミンが分泌され、興奮状態になるのです。

アメリカで最も有名な人類学者の一人であるヘレンフィッシャーは、『人はなぜ恋に落ちるか』という著書の中で、「恋愛状態とは、【特定の対象に対しての、極めて強力な報酬システムの作用 + それについて随時、思考させる強迫観念作用】であり、アルコールやドラッグにも似た一種の中毒症状である」と定義しています。

この「報酬システム」は、ドーパミン分泌メカニズムをを指しているといえるかもしれません。

ドーパミンの分泌量が増えると、「確固たる動機と目的志向の行動」が生み出されますが、こうした行動は、恋をして盲目的になったり、相手のために何かをしたりする行動と同種のものです。

また、ドーパミンは新しい刺激を受けることによって分泌量が増加しますが、これによって、恋愛中は常に相手のことを新鮮に感じることができるわけです。
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