ドーパミンが減少することによって起こる病気の一つに、パーキンソン病があります。
パーキンソン病は、技術を磨いたり、行動を習慣化・規格化したり、次の行動の計画を練ったりする働きのあるドーパミンが減少することで、立ち上がって歩こうと思っても、筋肉や関節をどのような順番で動かせばよいかわからなくなったり、体か震えたりすくんでしまったりして運動ができなくなる病気です。
人間は、10歳年をとるごとに10%のドーパミンニューロン(ドーパミンを産生する神経細胞)が死んでいくといわれています。
したがって、私たちがイメージする老化現象は、ドーパミンの減少が原因だといってもよいでしょう。
また、物覚えが悪くなったり、忘れっぽくなったりすることもドーパミン減少症状の一つです。
無気力になり、他人との関わりを避けるようになるのは、ドーパミンの減少によって、神経回路の中の情報処理機関に異常が起こることが原因です。
逆に、ドーパミンの分泌が多すぎると、幻覚が見えたり、発言や行動をコントロールできなくなり、恥ずかしい思いをしたりすることがあります。
チック症などは、ドーパミンの過剰分泌が原因の病気です。
麻薬やタバコなどの薬物は、ドーパミンの分泌を促進する作用があり、精神依存を起こすことが知られています。
パーキンソン病は、遺伝によって発症する場合もありますが、遺伝的な原因ではないものがほとんどで、その原因は未だ解明されていません。